ODC Portalでアプリケーションを監視するには? ~OutSystems機能紹介~(vol.30)

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OutSystems Developer Cloud(以降、ODCという)の統合管理コンソールである「ODC Portal」では、アプリケーションの管理/監視/デプロイやユーザーの管理/IdP設定などを行うことができます。

アプリケーション開発者/運用保守担当者は、ODC Portalのみで様々な操作を行うことができます。ODC Portalの機能の中でも「アプリケーションの監視(MONITOR)」に属する「App health」 「Logs」 「Traces」 の3つの機能は、環境ごとに切り替えてOutSystemsで作成したアプリケーションの情報を取得することができ、アプリケーションの運用状況確認/エラー推測に役立ちます。

本ブログ記事では、「App health」 「Logs」 「Traces」 の3つで確認できることについて、ODC Portalのキャプチャを交えながら解説します。

ODCについては「OutSystms Developer Cloud ( ODC ) とは? ~OutSystems 11との違いをわかりやすく解説~(vol.22」で解説しておりますので、是非ご覧ください。

ODC Portalでのアプリケーション監視①「App health

App healthでは、「運用中のアプリケーションのエラー状況」 「リクエスト数」 「応答時間」を表やグラフ形式で確認することができます。
表示される項目について、それぞれ解説します。

【Health score】
「応答時間、成功したリクエスト/エラーなどを考慮したアプリケーションのパフォーマンス」を確認することができます。Scoresによって色付けされ、緑は「Good(85-100)」、黄色は「Moderate(70-85)」、赤は「Critical(0-70)」を表しています。

 【Top apps by request】
リクエスト数が多いアプリケーションを一覧で確認することができます。

【Errors】
「エラーの総数」 「エラーの平均発生数」 「エラー率」 を確認することができます。エラー率ごとのアプリケーション数がグラフで表示され、グラフ上をクリックすることでクリックしたエラー率に該当するアプリケーションを確認できます。これはこの後説明する「Response time」 「Requests」 も同様です。

Response time
「応答時間のパーセンタイル値」 「最大応答時間」 を確認できます。
パーセンタイルとは、例えばP90の場合、応答時間を並べ、小さい順で90/100を抽出した際の平均値を表します。
パーセンタイルは、通信環境の悪いときにアプリケーションを動かしたときの応答時間などのような、大きく外れた異常値を省くことで適切に評価を行うことを可能とします。ドロップダウンでP90 / P95 / P99 を選択し、グラフ表示可能です。

 Requests
「アプリケーション全体のリクエスト数」 「エラーの平均発生数」 を確認できます。アプリケーションごとにエラーの平均発生数がグラフで確認できます。
App Healthのアプリケーションリンクをクリックすると、アプリケーションごとのHealth score / Top apps by request / Errors / Response time / Requests の5つの値を確認することができます。

加えて、Aggregate / Server Action といった、サーバーで処理される要素単位でリクエスト数や応答時間を確認することができます。要素単位でエラーやパフォーマンスのボトルネックになっている部分を確認し、アプリケーションの品質改善を行うことができます。

App healthでアプリケーションの分析を行うことで、品質改善の一助となります。エラー発生頻度の多いアクションが一目で分かるため、限られた工数内でも効果の高い改修を行うことが可能となります。リクエスト数や応答時間はユーザーエクスペリエンスに密接に関わるため、これらのボトルネックの分析が容易にできることも、アプリケーションの保守開発を効果的に行うための手助けとなります。

ODC Portalでのアプリケーション監視②「Logs

Logsでは、
Log ErrorYesになっている『Exception Handler』が出力するログ」や
「ユーザーがアクション内に配置できる『Log Message』アクションで出力するログ」
を一覧で閲覧することができます。
ログの一覧は画像の通り、「記録された時間」、「重要度(Error / Warning / Information)」 「アプリケーション」 「ログメッセージ」 「ユーザー」 を確認することができ、それぞれで絞り込みが可能です。

各ログの記録された時間はリンクになっており、記録された時間を選択することでログの詳細を閲覧することができます

ログ詳細ではログのスタック(Stack)と関係ログ一覧(Related logs)を見ることができ、右上の「Go to trace」ボタンからは次章で紹介するTraces機能へ飛ぶことができます。スタックではログのより詳細な情報を確認することができ、開発中・運用中どちらでもエラー原因の究明に役立ちます。関係ログ一覧ではサーバー上で行われる一連の処理で出力されたログ一覧を見ることが可能です。

Logsでは様々なステータスのログを一覧で確認することができるため、開発時のデバッグを目的とした調査や、本番運用中に発生した障害報告に基づく調査などの場面で、このログが原因の特定に役立ちます。またサーバーの処理時間の計測などにも有効です。

ODC Portalでのアプリケーション監視③「Traces」

Tracesでは、「ユーザーがサーバーで行った処理(サーバーアクション / Aggregateの取得等)」を確認することができます。TracesApp healthLogsと同様、「開始時間」 「アプリケーション」 「処理内容」 「ユーザー」 「種類(OKError)」 「処理時間」 が確認でき、絞り込みが可能です。

開始時間のリンクをクリックすることで、下図のようにユーザーが行った処理の詳細を確認することができます。

アクション内でどんなAggregate、アクションが呼び出され、それらはどのくらいの時間がかかったのか、処理は正常に行われたのかと詳細な情報を得ることができます。
Traces
ではユーザーが操作した内容をアクション単位で詳細に確認できるため、ユーザーからエラーの報告や、処理が遅い等などのフィードバックを受けた際の原因特定に非常に有用です。

まとめ

ここまで、ODC Portalのアプリケーション監視機能3つを解説してまいりました。これらの要素を利用することでアプリケーションの運用状況確認やエラー推測などを効率的に行うことができます。ODC Portalでは今回ご紹介したアプリケーション監視のほかにも、開発者/アプリ利用者の管理やIPフィルター/プライベートゲートウェイ等の環境設定を一元的に行うことができます。このような統合管理コンソールを利用できるのもODCの大きな利点の1つです。

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