OutSystemsを使ってみた 初心者が感じたローコード開発のリアル(Vol.36)

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OutSystemsは、ローコード開発プラットフォームの代表格です。プロコードをほとんど書かずに、視覚的・直感的な操作で迅速かつ効率的にアプリケーションを開発できます。
本ブログ記事では、OutSystems初心者であった筆者が、1ヵ月間実際に使ってみた感想や、必要だと感じた知識を、開発したアプリケーションのキャプチャを交えてご紹介します。

今回OutSystemsを使ってみた筆者と開発環境について

まず、筆者のバックグラウンド、使用環境および学習の進め方についてご紹介します。

〈筆者の経歴〉
 ・2024年に大学院を卒業し、新卒で入社
 ・学生時代は3年間、Pythonを使って画像認識システムを構築
 ・入社後の6か月の研修期間で、前半3か月間Javaを学習し、後半3か月間Webアプリケーションをプロコードで開発
 ・研修後に初めてOutSystemsを使用(ローコード開発ツール自体が初めて)
〈使用環境〉
 ・バージョン:OutSystems 11
 ・環境:個人環境(Personal Environment)〈学習の進め方〉
 ・OutSystems社が提供する説明動画とデモ演習を通じて、基本的な使い方を2週間学習
 ・学習後、力試しの演習としてタスク管理アプリケーションを開発
〈学習の進め方〉
 ・OutSystems社が提供する説明動画とデモ演習を通じて、基本的な使い方を2週間学習
 ・学習後、力試しの演習としてタスク管理アプリケーションを開発

初心者が感じた OutSystemsの特徴① イメージを画面上に表現するだけで開発できる

OutSystemsを使用して最初に強く感じた特徴は、アプリケーションのイメージをそのまま画面上に表現するだけで開発できる点です。以下に、その具体的な内容を説明します。

1. 直感的なインターフェースで簡単に画面を作成できる

OutSystemsではアプリケーションの画面を、構成する各部品(ウィジェット)をドラッグ&ドロップで配置しながら開発します。直感的な操作で画面のイメージを作成できるため、スムーズに開発を進められます。プロコードの場合、レイアウトを実現するために要素の配置方法やレスポンシブ対応など、多くの技術的な細部に注意を払う必要がありますが、それが不要な分、画面のデザインに集中できました。また、各ウィジェットにはアイコンがあり、機能や見た目を直感的に理解しやすかったです。
作りたい画面のイメージをそのまま再現するだけでよく、必要なウィジェットもすぐに分かり、効率的に画面を作成できました。

2. プロコードと同じ思考過程で開発できる

OutSystemsでは、システムの処理の流れをロジックフローとして視覚的に表現します。画面と同様に、処理をドラッグ&ドロップで配置・接続しながら作成します。
このロジックフローは、プロコードで開発する前に設計段階で決めるシステムの処理の流れ(フローチャート)に非常に似ています。そのため、プロコードの経験が活かせるだけでなく、ローコード特有の新しい考え方を覚える必要もありません。たとえば、提供される部品の制約を意識した開発や部品の組み合わせ方といったものが該当します。設計段階で決めるイメージをそのまま表現するだけで良いので、開発期間の短縮にもつながりました。

 

初心者が感じた OutSystemsの特徴② 最低限の知識があれば開発ができる

OutSystemsはイメージをそのまま表現するだけで簡単に開発できますが、開発に関する基本的な知識は必要だと感じました。筆者が開発を進める中で必要だと感じた知識をご紹介します。

1. 簡単なロジックの理解(フロー、変数、条件分岐)

OutSystemsではシステムの処理の流れを視覚的に表現できますが、その処理の流れをイメージし、設計するためには基本的なロジックを理解することが必要です。具体的には、処理の順序を示す「フロー」、データを一時的に保持する「変数」、条件によって処理を分岐させる「IF(条件分岐)」といった概念です。
これらの知識を持つことで、システムの動きを組み立てて、OutSystems上で視覚的に表現することができます。複雑なプログラミング言語を学ぶ必要はありませんが、ロジックの基本を理解していることで、スムーズに処理の流れを構築できるようになります。

2.  リレーショナルデータベースの基礎(主キー、外部キー)

データを管理・連携する上で、リレーショナルデータベースの概念を理解することが必要です。具体的には、各データを一意に識別するための主キーや、他のテーブルのデータと関連付けるための外部キーの理解です。
これらも専門的な深い知識が求められるわけではなく、「データ同士をどのように繋げるか」という基本的な考え方を理解していれば問題ありません。OutSystemsでは他のテーブルのデータと関連しているデータの識別子を指定するだけでデータの関係性を構築できます。

3. 簡単な条件式の記述(=、AND、OR)

OutSystemsは視覚的に開発できますが、条件分岐などの一部では、プログラミングコードを少し記述する必要があります。たとえば、データの検索や処理の条件を設定する際に、「=」(等しい)、「AND」(かつ)、「OR」(または)といった基本的な条件式を使います。これらはプログラミングの基礎的な知識ですが、複雑な文法を覚える必要はなく、明快な表現で論理を記述できます。

上記の知識は、ローコードであるかどうかに関わらずアプリケーション開発全般で最低限必要とされる基本的なものです。OutSystemsではこれらの知識さえあれば、本格的なアプリケーションを開発できます。

 初心者が感じた OutSystemsの特徴③ 短期間でリッチなアプリケーションを開発できる

実際に開発を進めた結果、1週間で基本的なタスク管理機能(タスクの作成、編集、削除、検索機能など)を備えたアプリケーションを完成させることができました。
OutSystemsが提供する豊富なウィジェットとその使いやすさにより、開発スピードと機能の充実度の両方を実感しました。特にOutSystemsのメリットを感じた機能を2つご紹介します。

1. ドロップダウン内での選択肢検索機能

タスクの対象者を選択する際、ドロップダウンメニュー内でユーザー名を検索できる機能です。ユーザー数が多い場合でも、目的のユーザーを素早く見つけられます。
この機能は、以下の手順で実装できました。

 1.Dropdown Searchウィジェットを画面上にドラッグ&ドロップで配置
 2.ウィジェットのプロパティで、選択肢を設定

わずか2つのステップで実装でき、プログラミングコードを書く必要もありませんでした。実装にかかった時間はわずか数分で、その手軽さに感動しました。

2. 未入力項目の強調表示(入力チェック機能)

タスク作成時に入力必須項目が未入力の場合、その項目を自動的に強調表示する機能です。ユーザーが入力漏れに気づきやすくなり、エラーを防げます。
こちらの機能も特別なコーディングは不要で、入力フィールドのプロパティで入力必須を設定するだけで追加できました。

プロコードであれば、CSSを定義し、エラー文を記述するなど多くの実装が必要になりますが、ほとんど手間をかけずに実現できたのは驚きでした。

また、デザイン面でも、提供されているテンプレートを参考にすることで、プロのデザイナーが作成したような美しい画面を短時間で作成できます。

まとめ

本ブログ記事は、OutSystems初心者であった筆者が実際に1か月間使ってみて感じた特徴や感想をもとに作成しました。
OutSystemsは、直感的な操作でリッチなアプリケーションを最低限の知識で、短期間で構築できるのが特徴です。総合的に見ると、OutSystemsは初心者にも扱いやすい強力な開発ツールであると感じました。簡単な操作で高機能なアプリケーションを開発できるため、現場業務を効率化するアプリケーションや迅速なプロトタイピングが必要なアプリケーションの開発に適しています。

一方で、より複雑なシステムを構築する際には、適切な設計や非機能面の理解など、学ぶべき点が多いと感じました。独学では限界があり、専門的なサポートが必要性も感じました。同じように感じている内製開発者の皆様のために、弊社では、お客様の社内でOutSystemsの活用を推進するCenter of Excellence(CoE)チームを組成し、スムーズな導入と環境全体の統制、そして利用範囲の拡大をご支援するサービス「CoE支援サービス」をご提供しております。CoEチームの有用性や組成方法についてご興味のある方は、是非、弊社までお問い合わせください。

また、電通総研では「CoE支援サービス」以外にも、ローコード開発プラットフォームであるOutSystemsの導入/活用を支援する様々なサービスメニューをご用意しております。
ローコード開発のはじめの一歩を、電通総研と一緒に踏み出してみませんか?

電通総研のOutSystems関連サービスページ:https://itsol.dentsusoken.com/outsystems/service/

OutSystemsに関する詳しいお問い合わせは、弊社Webサイトからお問い合わせください。
https://itsol.dentsusoken.com/outsystems/inquiry/