Snowflake マーケットプレイス とは?~データ共有で広がる世界~(vol.16)
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データクラウド「Snowflake」の特徴的な機能のひとつに、「Snowflake マーケットプレイス」があります。「Snowflake マーケットプレイス」では、数々のサービスプロバイダーが、データやアプリケーションを提供/販売しています。Snowflakeのユーザーは、これらのデータやアプリケーションを他のアカウントに提供/販売したり、他のアカウントから提供されたデータやアプリケーションを取得/購入したりできます。
本ブログ記事では、「Snowflake マーケットプレイス」の概要/利用方法/活用事例について、わかりやすく解説します。
目次
■Snowflake マーケットプレイス とは? ~概要~
「Snowflake マーケットプレイス」は、その名のとおり、Snowflake上のデータにまつわる「マーケットプレイス(市場)」です。この市場で取引されるのは、データそのものやデータに関連するアプリケーションです。Snowflakeのユーザーは、「Snowflake マーケットプレイス」上で、利用できるデータやアプリケーションを探し出し、自社の環境で利用することができます。
*本ブログ記事では、主にデータに関して解説します。
「Snowflake マーケットプレイス」を利用することで、自社では保持していない「3rd Party Data」をSnowflake上で扱えるようになります。これにより、たとえば、外的要因の分析や機械学習の精度向上などの効果が期待できます。
1st / 2nd / 3rd Party Data とは?
「Snowflake マーケットプレイス」で提供されているデータには、例えば、下記のようなものがあります。料金はデータごとに異なりますが、一部無償で提供されているデータもあります。
・ 世界や日本の天気データ
・ 日本の祝祭日カレンダー
・ 外国為替レート履歴
・ COVID-19の疫学データ
・ 日本国内のEC購買データ など
「Snowflake マーケットプレイス」でのデータのやり取りは、Snowflakeの「共有」の仕組みと同じアーキテクチャに基づいています。
自身の環境にデータをインポートするわけではなく、データプロバイダー(提供元)が保持するデータが共有され、参照できるようになります。データプロバイダーがデータを更新すると、自社の環境で参照するデータも自動的に更新されます。
■Snowflake マーケットプレイス とは? ~メリット~
「Snowflake マーケットプレイス」を利用するメリットを、データを利用する企業、データを提供する企業、それぞれの立場で考えてみましょう。
まずは、データを利用する企業のメリットです。
- 新たなデータによる、新しい発見
自社で保持している様々なデータを利用することで、自社のビジネスや業務の「現状」を正しく認識できます。
それに加えて、SNSや経済状況、各業界や他社のデータなど、Snowflakeマーケットプレイスで提供される外部データも利用することで、なぜそうなったか?の「原因」や、これからどうなっていくか?の「予測」といった、新たな“発見”につながることが期待できます。 - データ取得のためのコストと時間の節約
外部からデータを取得したり、Snowflakeへ連携したり、というデータパイプラインの開発や運用をおこなう必要はありません。そのため、データ取得のためのコストを節約し、データ取得までのタイムラグを解消することにつながります。 - 最新データの取得
「Snowflake マーケットプレイス」を介して取得したデータは、データの提供元(プロバイダー)によって更新されるため、利用者は常に最新のデータへアクセスできます。
データを提供する側の企業の立場でのメリットはどうでしょうか?
- 自社の収益拡大
「Snowflake マーケットプレイス」上でのデータの有料販売により、直接的な収益を得ることができます。
また、「Snowflake マーケットプレイス」でデータを提供することで、自社のサービスの利用拡大につながるようなケースも考えられます。 - Snowflakeの利用拡大と進化
「Snowflake マーケットプレイス」で取り扱われるデータが充実することで、Snowflakeそのものの価値やメリットが高まります。
その結果、Snowflakeの利用企業が増え、機能拡張などのSnowflakeの進化につながり、最終的にはデータ提供元にもメリットとなって返ってくることが期待できます。
このように、「Snowflake マーケットプレイス」は、データを利用する側にも、データを提供する側にも、双方にメリットのある仕組みといえます。
■Snowflake マーケットプレイス とは? ~利用方法の解説~
「Snowflake マーケットプレイス」でデータを利用する際の、利用方法について解説します。
*本章では、無料ですぐに利用できるデータを利用する場合の手順について解説します。
有料のデータやデータプロバイダーへの利用リクエストが必要なデータは、利用手順が異なる場合がございますので、ご注意ください。
1. 「Snowsight」(SnowflakeのWebインターフェース)から、「Marketplace」メニューにアクセスします。
2. プロバイダー名やデータ名など、検索条件を入力して、データを探すことができます。
3. 興味のあるデータが見つかったら、データを選択して、詳細を確認します。
4. 取得するデータが決まったら、「Get」を選択します。
5. 確認ダイアログが表示されるため、再度「Get」を選択します。
※データ取得にあたっての同意事項が表示されますので、必ず確認してください。
6. 数秒待機すると、データ取得完了のダイアログが表示されます。
7. Snowsight(SnowflakeのWebインターフェース)から、「Data」メニューにアクセスすると、利用可能となったデータベース、スキーマ、ビューが表示されています。
これらのオブジェクトのソース情報が、データ・プロバイダーとなっていることがわかります。
8. これらのオブジェクトは、通常のオブジェクトと同様に、ワークシートや各アプリケーションからアクセス可能です。
サンプルとして、「Snowflake マーケットプレイス」から取得したビューに対してSQLクエリを発行してみます。結果が取得できることがわかります。
ここまでご覧いただき、「Snowflake マーケットプレイス」のデータの利用方法について、次の3つのポイントをご理解いただけたのではないでしょうか。
- 「Snowflake マーケットプレイス」からデータを取得する手順が、非常にシンプルであること
- 無料のデータであれば、すぐに利用開始できること
- データはビューとして提供され、SQLクエリを発行でき、扱いやすいこと
■Snowflake マーケットプレイス とは? ~活用事例のご紹介~
「Snowflake マーケットプレイス」のデータを活用することで、具体的にどのような効果があるのでしょうか?
弊社のホームページでは、「Snowflake マーケットプレイス」のデータを需要予測に用いた、KANEMATSU USA INC. 様の導入事例をご紹介しております。
プロファイル入力無しでリーフレット記事をご覧いただけますので、ぜひご確認ください。
https://itsol.dentsusoken.com/snowflake/casestudy/
■まとめ
さてここまで、「Snowflake マーケットプレイス」について、次の観点で解説して参りました。
- 「Snowflake マーケットプレイス」の機能概要
- 「Snowflake マーケットプレイス」のメリット
- 「Snowflake マーケットプレイス」の利用方法
- 「Snowflake マーケットプレイス」の活用事例
本ブログ記事が、データクラウド「Snowflake」の特徴的な機能のひとつ、「Snowflake マーケットプレイス」のご理解につながり、少しでも皆様のお役に立ちましたら幸いです。
弊社は、データマネジメントの専門家として、お客様のデータ一元管理やデータ活用における戦略策定、データドリブン経営の実現に向けた真の“使える”データマネジメント基盤構築のご支援をしております。
データ分析基盤の豊富な構築実績に基づくノウハウを体系化したサービスをご提供しておりますので、データ活用でお悩みの際は、是非、弊社までお声掛けください。
◆ お問い合わせページ:https://itsol.dentsusoken.com/snowflake/inquiry/
*本記事は、2023年12月1日時点の情報を基に作成しています。
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