Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組みを理解し、コストパフォーマンス良く使いこなそう!(vol.2)
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Snowflakeについて、「安い!早い!便利!」という評判を耳にすることがあるかと思います。
しかし、Snowflake社のホームページに公開されている価格ガイドを見ても、いま一つピンとこない方も少なくないのではないでしょうか?
そこで本ブログ記事では、Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組みや、コストパフォーマンス良く使いこなすためのポイントをわかりやすく解説します。
目次
Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組み ①クレジットとは?
Snowflakeの価格体系は、従量課金型です。
Snowflakeのご利用にあたっては、年間の「キャパシティ契約」を結んでいただくところからはじまります。
ご契約前に1年間でどのくらいの利用するかを試算し、利用枠を事前購入。使った分だけ利用枠が消費されていくような流れです。
この利用枠は、「ストレージ」と「コンピュート」の2つの利用によって、消費されていきます。
- ストレージ
1TB/月あたりの「ストレージ単価」が設定されています。
ストレージに蓄積されたデータ量に応じて、毎月利用枠が消費されます。
なお、Snowflake独自のデータ圧縮技術により、実際のデータ量よりも抑えた形で格納することができるのも一つの特徴です。 - コンピュート
コンピュートの利用料は、「Credit(クレジット)」という、Snowflakeならではの単位で消費されます。
Snowflakeの大きな優位点である「マルチクラスタコンピューティング」の技術により、様々なデータ処理(データ連携・加工・集計等)が独立して動きます。それぞれの役割に対して、ユーザーが処理性能を自由に選択することが可能です。
この際、データ処理に求められる性能に合わせて、XS/S/M/L/XL……といったTシャツモデル(洋服のサイズと同じ考え方)で定義されたメニューをご選択いただきます。
XSのコンピュートを1時間使った場合を「1Credit」としてカウントします。<仮想ウェアハウスのサイズ表>
*5XL および 6XL 仮想ウェアハウスのサイズはプレビューです価格表に定義された「Credit単価」との掛け算により、毎月のデータ処理に応じて、毎月利用枠が消費されます。
なお、ウェアハウスは、実行している間のCredit(クレジット)使用状況のみが請求されます。ウェアハウスを一時停止すると、Credit(クレジット)は使用されません。
Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組み ②エディションと稼働環境(AWS, Azure, GCP)
前章で記載したストレージ単価とCredit(クレジット)単価は、主に「エディション」と「稼働する環境」によって決められます。
- エディション
Snowflakeには、サービスレベルの違いにより、「スタンダード」、「エンタープライズ」、「ビジネスクリティカル」、「バーチャルプライベートSNOWFLAKE(VPS)」の4つのエディションが存在しています。
*エディションの違いについては、別の回で詳しく解説する機会を作りたいと思います。 - 稼働する環境
SnowflakeはマルチクラウドのSaaS型サービスであり、世界中のAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure(Azure)、Google Cloud Platform(GCP)上で稼働しています。
2022年11月時点では、日本のリージョン向けにはAWS(東京リージョン・大阪リージョン)とAzure(東京リージョン)上で稼働しており、どの利用環境を選ぶかによって価格が変動します。
*それぞれの単価は、Snowflake社のホームページ( こちらのページからお申し込みいただくとご参照可能)に掲載されています。
Snowflakeをコストパフォーマンス良く使いこなすには?
ここまで、Snowflakeの価格の仕組みを解説してまいりました。
では次に、この記事のテーマでもある“Snowflakeをコストパフォーマンス良く使いこなす”ためのポイントについて解説したいと思います。
そのカギは、「従量課金型」の活用にあると考えています。
前章で、利用したコンピュートのサイズと時間に応じてCredit(クレジット)が消費される=「従量課金型」の価格体系である旨を解説しましたが、これはつまり、「秒単位で使った分だけ支払う」ことができる、ということを意味します。
*上記<仮想ウェアハウスのサイズ表>に記載のCredit(クレジット)の数は1時間の使用量ですが、Credit(クレジット)は最低60秒で、1秒ごとにご請求となります。詳細は、Snowflake社のWebサイトをご確認ください。
Snowflakeが「従量課金型」であることを活用することこそ、Snowflakeをコストパフォーマンス良く使いこなすポイントとなります。
例えば、データ活用のシーンにおいて、営業部門がBIでデータ集計するシーンを考えてみましょう。利用拠点が国内に集中する場合、平日日中帯のビジネスアワーに利用が集中すると考えられます。また、データ連携のシーンにおいて、バッチ処理でデータを取り込む場合、営業時間外の早朝や夜間にデータ処理が集中することが考えられます。
このようなケースにおいては、利用する時間帯に合わせてピークを設定し、利用されない時間には、コンピュートの性能も下げておく。このようなコストコントロールが可能となります。
このように、きめ細やかなコントロールを積み重ねることで、24時間365日全体で見たときに、総コストが節約できるのです。
こういった微調整は、これまでのクラウドサービスにおいては、できなかったのではないでしょうか?
*自社の運用に適したコントロールの仕方など、具体的なお話が聞きたい場合は、専門のSnowflakeコンサルタントへご相談いただければと思います。
まとめ
Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組みや、Snowflakeをコスパ良く使いこなすためのポイントについて、ご理解いただけたでしょうか?
日本国内においては類似の価格体系を採用しているサービスはまだ珍しく、Snowflake社の価格ガイドを見ただけではイマイチわかりにくいと感じていた方々のご理解の一助となりましたら幸いです。
Snowflakeの導入検討にあたっては、技術的な検証に加え、コスト試算も必要かと思います。
*ご参考(PoCのステップ例):https://itsol.dentsusoken.com/snowflake/service/poc/
弊社電通総研では、現行システムの利用状況や、利用用途/目的をお伺いしながら、ご契約前に必要となるキャパシティの量を試算するお手伝いもしております。
Snowflakeのコスト試算でお悩みの場合は、是非、電通総研までお声掛けください!
◆ お問い合わせページ:https://itsol.dentsusoken.com/snowflake/inquiry/
*本記事は、2022年11月1日時点の情報を基に作成しています。
製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。