社内で使える無料ノーコード開発ツール 有料版も一挙に7選

#ノーコード開発
公開日:2024年03月26日(火)

序章

社内で簡単に業務アプリやシステム開発ができるノーコード開発ツールの導入が増えています。理由はノーコード開発ツールには、‘業務アプリ・システム開発の期間短縮’、‘低コスト’、‘業務効率化’などが期待されているからです。しかし、ノーコード開発ツールでできることを事前に把握しておかないと、満足のいくアプリやシステムが開発できないケースがあります。

そこで、ノーコード開発ツールとノーコード開発プラットフォームの違いにも触れながら、社内で使える無料のノーコード開発ツールをご紹介し、有料版も含め一挙に7製品をご説明していきます。みなさんが社内ですぐに使えるノーコード開発ツールが、この中にあるでしょうか?

ノーコード開発ツールとは?

ノーコード開発ツールとは、プログラミングの知識や経験がなくても、アプリケーションやシステムを開発できるものです。ローコード開発ツールと似ていますがローコード開発ツールは、製品の一部機能においてプログラミング作業が必要ですが、ノーコード開発ツールはプログラミングを一切必要とせず、ドラッグアンドドロップなどの画面操作でアプリを開発できることが特徴です。

ノーコード開発ツールの利点は開発のハードルが低く、アプリ開発にかかる時間とコストを削減できることです。専門的なIT知識のない非IT人材でも、アプリ開発ができることは魅力的な利点と言えるでしょう。

ノーコード開発ツールと、ノーコード開発プラットフォームの違いとは?

ノーコード開発ツールとノーコード開発プラットフォームという言い方があります。この違いとは何なのでしょう?ノーコード開発ツールとノーコード開発プラットフォームは、どちらもプログラミングの知識や経験がなくても、アプリ開発ができるツールであるところは同じです。しかし、ノーコード開発ツールとノーコード開発プラットフォームには、どのような違いがあるのでしょうか?

ノーコード開発ツールは、オンプレミス型やクラウドサービス型に限らず、ツール単体で提供されるものが多く、アプリ開発に必要な基本的な機能が提供されています。カスタマイズ性も限られているため、比較的に簡単なアプリケーションやシステムの開発に適していると言えるでしょう。

ノーコード開発プラットフォームは、クラウドプラットフォームとして提供されるものが多く、アプリ開発に必要な基本的な機能に加えて、実行環境、データベース、監視・セキュリティ、アプリケーションのライフサイクル管理、システム連携や変更管理などの機能も提供されています。拡張性やカスタマイズ性も高いため、もう少し難易度が高いアプリケーションやシステムの開発に適しています。

ノーコード開発ツールは「ツール単体で簡単なアプリ開発向き」、とノーコード開発プラットフォームは「クラウドプラットフォームで拡張性やカスタマイズ性が高いシステム開発向き」が違いと言えるでしょう。

ノーコード開発プラットフォームもノーコード開発ツールも、専門的なIT知識は必要とせず、ドラッグ&ドロップや画面操作でアプリ開発ができる点は同じです。本記事ではノーコード開発ツールの比較と定義して、詳しく記載していきます。

ノーコード開発ツールでできること、アプリやシステム開発事例から考えてみよう

ノーコード開発ツールでできること、つまりどんなアプリ開発やシステム開発ができるのでしょう。「ノーコード開発ツールでできることは、簡単なアプリやシステム」と言われていますが、イメージはつきにくいですよね。

そこで、実際にノーコード開発ツールを利用して完成した、アプリやシステム開発の事例から考えてみましょう。以下に、ノーコード開発ツールでできる、簡単なアプリやシステム開発例を挙げてみます。

ノーコード開発ツールでのアプリやシステム開発例

  • 社内ポータル・コミュニケーションツール
  • 社内申請・承認業務のワークフロー管理ツール
  • 社員向けの人事総務問合せサイト
  • 社内業務システムとモバイルアプリ
  • 公開しているコーポレートサイトや製品サイト
  • 顧客向けのウェブ会員サイトやアプリ
  • 顧客向けの受発注システム
  • 住民向けの自治体申請システム

ノーコード開発ツールでこのようなアプリやシステム開発を実際に実現した事例があります。意外にノーコード開発ツールでできることは、拡大しているのです。これならみなさんも、アプリ開発にかかる時間とコストを削減するために、ノーコード開発ツール使いたくなるかもしれませんよね。

ノーコード開発ツールを選定する際には、社内のニーズに合ったツールを選び、整えた社内の運用体制に対し、適切な教育やトレーニングをしてくれるベンダーを選ぶことが重要です。

そこで本記事ではノーコード開発ツール製品を徹底比較し、おすすめの無料・オープンソース・有料版の8製品をご紹介いたします。きっと本記事の中に、みなさんにピッタリなノーコード開発ツールがあるはずです。

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iPLAss(アイプラス)オープンソース版 ポイント:日本語版・無料・フリーで使える

iPLAss(アイプラス)オープンソース版は(株)電通総研が提供をしています。日本語だけでなく、多言語にも対応した日本製のノーコード開発ツールです。
無料で使えるノーコード・ローコード開発ツールで、簡単なシステムにも少し難易度の高いシステムにも対応できる機能を持っています。
料金・価格は完全に無料です。そして、Eメールアドレスなどの個人情報を入力せずとも、iPLAssオープンソース版は利用できるのは、個人でも企業でも気軽に始められていいですね。
iPLAssオープンソース版は若干の機能制限がありますが、有償版であるiPLAss Enterprise EditionかiPLAss Cloud(iPLAssのクラウドサービス)なら、すべての機能を利用できます。

参照元URL:https://iplass.org/

プリザンター ポイント:無料で使えるOSSのノーコード・ローコード開発ツール

プリザンターは(株)株式会社インプリムが提供しています。「プリザンター1.4 Community Edition」が無料で使えるエディションで、ダウンロードしてサーバにインストールすれば、すべての機能が無制限で利用できます。年間サポートサービスは有料で、サポートエンジニアがトラブル対応や質問に応えてくれ、項目数の拡張やSDKを利用できるエディションを利用できます。

プリザンターは専門的な知識・技術がなくても、マウス操作を中心に簡単に業務アプリを作成できるツールです。顧客サポート、人事・総務、営業部門などの様々な業務テンプレートが用意されていますので、選んですぐに利用できます。

料金・価格は無料で全機能を利用できます。年間サポートサービスは180,000円/年となっており、前述したサービスを受けることができます。ダウンロードをしなくても60日間全機能が無料で試せるデモ環境がありますので、下記サイトよりお試しください。

参照元URL:https://pleasanter.org/

ここからは有料版のノーコード開発ツールをご紹介していきます。

iPLAss(アイプラス)Enterprise EditionとCloudモデル ポイント:ノーコード・ローコード・プロコードでも開発できる

iPLAss Enterprise EditionとiPLAss Cloud(iPLAssのクラウドサービス)は(株)電通総研が提供をしています(以下、iPLAss)。無料で利用できるiPLAssオープンソース版の有償版ですので、すべての機能を使うことができます。

iPLAssの特徴はノーコード・ローコード・プロコードでも開発できる点です。つまり、社内やお客様の要件に合わせて機能や開発範囲を選び、ノーコード開発・ローコード開発・プロコード開発の最適な手法を組み合わせられるのです。

簡単なアプリやシステムはノーコード開発、少し難易度が高いシステムはローコード開発、そして難しいシステムには、JavaやGroovyの開発言語でプロ開発ができます。ローコード開発ツールですので、エンジニアがJavaやGroovyで画面やロジックを開発することが可能です。システム開発の専門体制を持たない企業様向けに、iPLAssでの開発支援サポートを提供しています。

これなら、社内のニーズに合ったツールになりますし、適切な教育やトレーニングをしてくれるベンダーなので安心できるノーコード開発ツールですね。

料金・価格はiPLAss Enterprise Editionで20万/月額から、iPLAss Cloudエントリーモデルで30万/月額からとなっています。どちらのライセンス体系もサーバライセンスですので、例えば、会員サイトの会員数が増えてもライセンス数が増えるわけではありません。社員や顧客が利用するサイトやシステムをノーコード開発するのであれば、ノーコード開発ツールのライセンス体系も意識して検討しなければなりません。

参照元URL:https://itsol.dentsusoken.com/iplass/

kintone/キントーン ポイント:業務アプリがつくれるノーコード・ローコードツール

kintone/キントーンはサイボウズ(株)が提供しています。「自分たちで業務アプリがつくれる」をコンセプトに、プログラミングの知識がなくても、ノーコードで業務アプリがつくれるクラウドサービスです。導入担当者の90%以上が非IT担当者であることからも、専門知識が不要の簡単なツールと言えます。

数多くの導入実績がありますので、部署別、用途別、業種別の業務アプリ事例が公開されています。パッケージソフトの導入やスクラッチによるシステム開発までコストや期間をかけなくても、自社で業務アプリが作成できるのはとても便利です。SaaS型のクラウドサービスですから、ノーコード開発のためにアプリケーションやデータベースを意識せず、利用できます。

料金・価格は初期費用が無料で、1,500円/1ユーザ月額(5ユーザから契約可能)となっています。30日間すべての機能を無料でお試しできるサービスがありますので、下記サイトよりお試しください。30日間の無料お試し終了後、自動的に課金されるようなことはありませんので、安心ですね。

参照元URL:https://kintone.cybozu.co.jp/

yappli(ヤプリ) ポイント:ノーコードで提供するアプリプラットフォーム

yappliは(株)ヤプリが提供しています。「自社アプリを、かんたんにつくれる」をコンセプトした、アプリ開発・運用・分析ができるノーコード開発クラウドサービスです。業務システムや会員サイトを開発するのではなく、iOSやAndroidなどで利用するモバイルアプリをスピード開発できます。

例えば、アプリを利用して販売や顧客数を拡大させたいBtoCモデルのアパレル業や飲食・小売業のアプリ開発を、ホームページ作成をする制作会社に開発依頼するのではなく、ノーコード開発ツールであるyappliを利用して、自社開発ができます。専門チームが開発・集客・活用支援を提供してくれるのも安心です。最近ではBtoBの営業向けや自治体向けのアプリでも利用が広がっています。

初期制作費用+月額費用の組み合わせですが、料金・価格は非公開でお問い合せ方式となっています。IT導入補助金2023の申請対象ですので、利用費の最大50%の補助金を申請できます。
下記サイトよりお問い合わせください。

参照元URL:https://yapp.li/

サスケWorks ポイント:ノーコード開発ツールで作ったアプリを販売できる仕組みがある

サスケWorksは(株)インターパークが提供しています。「誰でもノーコードで業務改善アプリが作れる」をコンセプトした、低予算で短期にDXが実現できるノーコード開発ツールです。

サスケWorksはプログラミング知識がなくても直感的な操作で、業務効率化アプリを作ることができるサービスですが、作ったアプリを販売できる仕組みも構築できます。ウェブサイトにネイティブアプリに近いUI/UXを提供できるPWA(Progressive Web Appsの略)の技術を使い、
Worksアプリで、その仕組みを実現しているのは新しいスタイルですね。

料金・価格はスタンダードプランが5,000円/月額で提供されており、ひとりあたり約455円から利用できるので気軽に開始できます。無料トライアルで試せますので、下記サイトよりお試しください。

参照元URL:https://works.saaske.com/

STUDIO ポイント:ウェブサイト構築向けのノーコード開発ツール

STUDIOはSTUDIO(株)が提供しています。「Web制作をノーコードで」をコンセプトにした、コードやテンプレートに縛られずに自由自在にデザイン可能なノーコード開発ツールです。

デザインエディターやCMS、デザインテンプレートがありますので、ウェブサイトを制作したい大企業、制作会社、スタートアップ企業、フリーランスに向いています。

料金・価格はサイト単位となっており、基本機能は無料です。必要な機能に応じて有料化となり、おすすめのCMSプランは2,480円/月額です。無料ではじめられるFreeお試しプランがありますので、下記サイトよりお試しください。

参照元URL:https://studio.design/ja

    まとめ

    「社内で使える無料ノーコード開発ツール 有料版も一挙に7選」と題して、ご紹介してまいりました。ノーコード開発ツールとノーコード開発プラットフォームの違いや、ノーコード開発ツールでできること、システム開発事例がご理解いただけたと思います。

    ノーコード開発ツールは、プログラミングスキルがなくても誰でも業務アプリやシステム開発ができるので、とても便利です。DX推進や生成AI活用な複雑で大規模なシステム開発は専門のベンダーに任せたり、業務パッケージソフトを導入したりして、その他のスキマの業務システムをノーコード開発ツールで作るような‘開発のすみ分け’をしてみましょう。

    しかし、ノーコード開発ツール選びで大切なことは「簡単に作れるとはいえ、機能の制約が少なく、目的に合ったシステムやアプリ開発をできるか」という点です。詳しく機能を理解しないまま、ノーコード開発ツールを選定・導入して、満足のいくシステムやアプリ開発ができなかったケースは実際にあります。

    ノーコード開発ツール導入のための、よくある目的は‘アプリ開発の期間短縮’、‘低コスト’、‘業務効率化’です。これらに近づけることのできるノーコード開発ツールの事前情報をしっかり精査し、選定していきましょう。

    当サイトでは、ノーコード開発ツールやローコード開発プラットフォームを利用し、業務システムの開発を効率化したいエンジニアの方や、会員サイト構築などの新規事業の目的を達成したい方へ、ダウンロード資料をご用意しております。ぜひ資料をご覧いただき、ご活用ください。

    本記事の内容・料金・価格は2024年1月31日の情報を基に作成しています。詳しい内容や料金・価格は各サイトにお問合せください。