RPAを活用したDX人材育成のプログラムを立ち上げました!(vol.27)
2018年9月経済産業省がDXレポートを発表しました。DX推進上の課題を克服できなければ、将来的に大きな損失を生むことが容易に予測されると経済産業省は警鐘を鳴らしています。これを「2025年の崖」と表現して警鐘を鳴らしています。
また、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)の足掛かりとして、RPAツールを導入し業務の自動化を実施しています。しかし、業務の効率化を実現している企業がある反面、RPAの効果を感じていない企業も多く存在しております。
RPAツールは従来の情報システムでは実現できない、アプリケーションの操作を自動化できるツールであり、DX推進において非常に有効なツールとなります。そこで本記事では、DX推進を図りたい企業様向けに、RPAを活用した人材育成プログラムとなります「DX人財育成スタートアッププログラム」をご紹介できればと考えております。
日本企業におけるDX推進状況
2022年1月に帝国データバンクが発表した「DX推進に関する企業の意識調査」で、以下の報告がされております。
・DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業は15.7%と7社に1社程度
・約4割の企業でDXへの取り組みを前向きに捉えている
・約6割の企業ではDXへの取り組みが不要または進んでいない現状
また、同調査ではDXに取り組むうえで、半数の企業で、人材やスキル・ノウハウの不足を課題として挙げております。象徴的なものとしては、「DXの肝はデジタルツールを入れた後のプロセス設計であり、そのプロセス設計を企画推進できる人材が不足している認識」という意見があがっております。
出典:DX推進に関する企業の意識調査2022/1/19(帝国データバンク)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220105.pdf
「DX人財育成スタートアッププログラム」を立ち上げた背景
「自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材」
2020年12月経済産業省のDX2レポートでDX人材についてこのように定義されておりますが、このようなスペシャリストが居ればDXが推進するのでしょうか。我々はそうは考えませんでした。組織において変革をもたらすには何事においても現場の協力が不可欠です。その際に現場にその意識や意欲がなければ成功は無いと思います。
「RPAを導入し非常に効果が得られたため、追加導入を2021年度も実施した」
先ほど紹介しました帝国データバンクの調査における、DXに取り組む企業の声の一つです。課題感を挙げる企業が多い中で、成果をあげた企業の声が非常に印象的です。DXの足掛かりとしてRPAが適していることがお分かりいただけると思います。
DXと聞くと大変革というイメージを想定しますが、DXレポート2においてDXの構造が示されておりますが、DXはビジネスモデルの変革を伴うもののみ指すのではなく、デジタライゼーション、デジタイゼーションを含めたものとしております。
そこで我々はまず、現場レベルでRPAを活用し、デジタライゼーション、デジタイゼーションを推進し、デジタルマインドを醸成することが、現場の意識や意欲の向上につながり、DX推進に寄与するのではないかと考えました。
RPAを活用したDX推進のポイント
RPAを導入するにあたりよくある失敗として、RPAを導入すること自体が目的となってしまい、期待するほどの効果が得られないケースが見受けられます。あくまでもRPAは業務を効率化するための一つの手段に過ぎません。業務改革を目指す上で、RPA以外にも適した方法がある可能性があります。RPA導入の目的を明確にし、業務効率化の一つの手段として、RPAを導入することをおすすめします。
目指すべきゴールが明確になったら、そのゴールに向かって円滑に進んでいけるよう、段階的な計画に落とし込んでいくことをおすすめします。いきなりゴールを高くしてしまうと失敗したときの影響も大きいことから、まずはPoCを行い、ツールの選定や、組織にRPAの導入が可能か、効果がありそうか、しっかりと見極めることが重要となります。
導入可否の判断ができた後は、いくつかの組織をピックアップしてRPAの導入を開始する、スモールスタート型のパイロット運用から始めることをおすすめします。
また、近年ローコード開発をうたい文句としたエンドユーザー向けのRPAツールが登場しました。従来は、開発をIT部門に依頼し、対応を待つというのが一般的でしたが、 部門内で解決できる手段として利用され、成功事例も多く出ております。企業にとっても開発やランニングコストの低減といったローコスト化のメリットもあり、EUCが活性化してきております。
以上のように、RPA導入の目的を明確にする、段階的な計画に落とし込む、パイロット運用から始める、EUCを活用することがRPAを活用したDX推進のポイントと考えます。
「DX人財育成スタートアッププログラム」の特長
電通総研では従来のサービスでもRPAトレーニングや推進組織の組成サービスがありました。しかしながら、「RPAの技術者を増やす教育を実施する」「推進組織を立ち上げる」のみではデジタルマインドを醸成することは難しいと感じております。
RPA技術者はRPAツールを使いこなせるだけでなく、現状の業務を棚卸し、RPA適用業務を選定、RPAによる業務自動化、業務活用のスキルが必要と考えます。また、個人の取組みを個人にとどめず、組織として共有し、横串で底上げを行い、組織文化の醸成をすることが重要です。そしてその取り組みを一過性のものにしないために、周到な準備(トライアル)期間が必要と考えます。
DX人財育成スタートアッププログラムには以下の5つのサービスがパッケージ化されています。
【 DX人財育成スタートアッププログラム】
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デジタル化アプローチトレーニング
業務棚卸や、作業の見える化に関するカリキュラムを提供。 -
RPAトレーニング
「UiPath StudioX」を集合教育、eラーニング、寄り添い支援のサービスを提供。 -
推進組織(CoE)トレーニング
RPA活用推進・サポート体制の構築、開発・運用ルールの策定などに関するルール策定の教育と支援を実施。 -
文化定着トレーニング
トレーニング成果の共有や振り返り、課題の洗い出し、その改善の支援を実施。 -
DX人財育成基盤の無償提供
RPAライフサイクルを体験いただくため、トレーニングの4か月間+その直後のお客様での本番運用立ち上がりの2か月の計6か月間、StudioXの正式ライセンスを無償提供。
これらのサービスをパッケージ化することで、単なるRPA人材を増やすのではなく、デジタルマインドを持ち合わせたDX人財を育成していくことを目的としております。
まとめ
今回は「DX人財育成スタートアッププログラムを立ち上げました!」と題し、プログラムのご紹介をさせていただきました。
繰り返しとなりますが、RPAはあくまでも数あるデジタルツールの1つです。ローコード開発ツールが充実し、デジタル改革ツールの中でも、現場との親和性が高く、DXの足掛かりとしては適していることから、RPAを活用したプログラムを立ち上げております。
本プログラムの提供は、RPA人材を増やすことではなく、デジタル化アプローチの思考とデジタル化技術の両方を習得した人材≒DX人財を増やことが目的であるということをご理解いただけますと幸いです。
本プログラムの詳細につきましては、「電通総研 RPA SOLUSTION」ページにてご確認ください。
弊社ではRPAの推進と活用をもう一度はじめたい方に参考になる資料「今こそ言える、RPA成功への近道 ~推進と活用の2軸から‘もう一度’はじめましょう!~」をご用意しております。本資料は、RPA導入や再活用に向けて必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。」