RPA人材に求められるスキルと育成方法とは?これからの需要も解説(vol. 21)

2022.05.16

RPAはプログラミング知識がなくても利用できるツールと言われています。しかし、個人の便利ツールとして利用するだけでなく、企業の生産性向上ツールとして活用していくためには、RPAの特性を理解し、使いこなすことのできる「RPA人材」の確保が必要不可欠です。本記事では、「RPA人材」として活躍するために必要なスキルとこれからの需要、RPA人材の育成方法についてご紹介いたします。

■RPA人材の必要性と需要

企業は変革を続けていくために、DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れに適合し、継続的に高い生産性を実現することが求められています。RPAは人間が行う業務を代行し、業務効率化を実現するツールです。RPAを使いこなし、その効果を生み出すことのできる「RPA人材」は、変化の激しいビジネス環境において必要不可欠な人材といえるでしょう。

RPAはこの数年に登場した新しいテクノロジーですので、RPA人材は企業が求められています。RPA人材の需要は今後も伸びると予測されます。これからの企業は社員で内製化するか、協力会社に依頼するなど、RPA人材を確保する必要性があるでしょう。

RPA人材に求められるスキルとは

本記事では、「RPA人材」に求められるスキルには以下の3つがあります。

RPA人材に求められるスキル】

1.業務課題の抽出、改善、改革ができる。

2.RPAを使って業務の自動化ができる。

3.RPAによる業務自動化を組織的に推進できる。

それぞれのスキルについて、詳しくご説明いたします。

1.業務課題の抽出、改善、改革ができる

RPAを技術的に使いこなせるだけでなく、RPAに適した業務選定や、業務そのものの改革ができることが、RPA人材に求められるスキルのひとつです。現状の業務をそのままRPA化するのではなく、業務上の課題をまず抽出し、RPA化に適した業務を選定します。RPA化にあたり、業務そのものの流れや内容を変更することも時には求められるでしょう。こうした業務の課題抽出や改善を行えば、RPA化による効果をより高く生み出すことが可能となります。

2.RPAを使って業務の自動化ができる

RPA化対象業務を、RPAを使って自動化することができるのも、RPA人材に求められるスキルです。業務内容が変更になったり、RPA製品そのものの製品仕様が変わったりした際にRPAの改修ができるよう、業務知識とRPA知識の両方が求められます。また、RPAだけでなく、AIやプロセスマイニング、タスクマイニングなどのRPAと親和性の高い技術や知識も有しているとより高度な業務自動化が可能となります。

3.RPAによる業務自動化を組織的に推進できる

RPA化による業務効率化や改善を実現できたとしても、それが1業務のみで終わってしまっては、企業のDXは進みません。RPAによる業務自動化を組織的に推進させ、定着させていく作業ができることも、RPA人材に求められるスキルのひとつです。

RPA人材の育成方法

 RPA人材に求められるスキルは技術力だけではなく多岐に渡ります。このため、RPAの人材育成は個人の取り組みで行ってもうまくいきにくいです。専門のトレーニングを受けられるよう組織が支援したり、通常の業務を行いながらもRPA人材として必要なスキルが身に着けられるよう業務を調整したりしましょう。このような体系的・組織的に進めていく方が結果的にはうまくいきやすいと言えるのです。RPA人材育成に必要なトレーニングは、企業の状況によってさまざまですが、RPA人材育成に必要なトレーニングの一例を本記事ではご紹介いたします。

  • 業務のRPA化を選定できるようにする

業務をただRPA化するだけでは本来の目的である生産性向上は見込めません。RPAの効果を出すためには、業務そのものの改善と、RPAに適した業務の選定ができるようになる必要があります。こういったスキルを身に着けるために、RPA化に最適な業務改善と対処業務の選定が実際に経験できるトレーニングを探してみるとよいでしょう。可能であれば、実業務を例にして実践できると、よりトレーニングの効果が得られるかと思います。

  • RPA技術を身に着ける

RPAを使いこなすためにプログラミング知識は必ずしも必要ではありません。しかし実際にRPAを使って業務を自動化しようとする場合、一定期間の学習と実践が不可欠です。技術や知識の修得にかかる時間はRPAの製品特性や自動化したい業務内容により異なるため、一概にどれほどかかるかは言えません。オンラインやオンサイトでの集合研修やeラーニング、個別指導など、様々なRPAトレーニングが展開されているため、利用するRPA製品の教育トレーニングを探してみるとよいでしょう。

  • RPA人材育成を組織的に推進するためにどのような支援が必要かを理解する

RPAを個人レベルでなく企業で活用するために必要な知識を身に着けます。RPA開発や運用ルールの作成、サポート体制の構築、RPAによる自動化文化の醸成など、RPAを組織的に活用し、定着させていくことが重要です。そのために、どのような体制やルールを設けることが推奨されるのかを学べるトレーニングを探すとよいでしょう。

■まとめ

本記事では、RPA人材の必要性、RPA人材に求められるスキル、RPA人材の育成方法についてご紹介いたしました。RPA人材は単に業務をRPA化できるだけの人材ではありません。RPAを生産性向上の一つの手段として活用すれば、業務効率化の効果を生み出すことができる人材です。RPA人材が育成できれば、企業のDX推進に大きく貢献できるといえるでしょう。

RPA人材に求められるスキルとして、本記事では主に3つを挙げました。「業務課題の抽出、改善、改革ができること」「RPAを使って業務の自動化ができること」「RPAによる業務自動化を組織的に推進できること」です。このようなスキル全てをすぐに身に着けることは難しいかもしれませんが、一部でも身に着けられれば、RPA人材として活躍しやすくなるでしょう。

RPA人材に必要なスキルは、業務の片手間で取得するには難しく、個人の取り組みだけではなかなかうまくいきにくいです。自己啓発ではなく、業務の一環として必要なトレーニングが受けられるよう支援したり、環境を整えるしくみ作りを組織的に行うことは、RPA人材育成には必要といえるでしょう。本記事がRPA人材育成の一助となれば幸いです。

 

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