今度こそ活用できるRPAソリューションとは?夢から現実に変わろう!(vol.30)

2022.09.05

序章

働き方改革という言葉も以前ほど聞かれなくなった今、多くの企業ではなんらかのITソリューションを導入して業務効率化を推し進めてきたことでしょう。RPAを業務効率化のITソリューションとして選択した企業は特に多くあると思います。その反面、簡単!お手軽!に業務効率化できる夢のようなソリューションと期待してRPAを導入してみたもののといった声も聞こえてきます。なぜRPAが期待以上の期待をされたのか?2017年ごろのRPA第一次ブームの経験を振り返りながら、今度こそ活用できるRPAソリューションについて解説していきたいと思います。RPAに夢を見てしまった皆様には、これからのRPAの現実がわかる必見の記事です。

RPA第一次ブーム なぜ期待以上の期待をされたのか?

周知のとおり平成以降は日本に限らず先進国では高齢化社会が進み、労働力の確保に苦難する時代が続いてきました。それに伴い生産性の向上を目的として、国家レベルでIT技術の取り込みを急ぐことになっております。

小難しい話はさておき、ここ数年で各企業では多くのデジタル化が進められてきましたが、やはり個人に依存する業務にはどうしてもデジタル化が進まず、むしろ煩雑なシステムの導入により既存業務が圧迫されてはいないでしょうか?多くのビジネスマンが本来やるべき業務よりも、雑務的な業務に時間を割いてきた面は否めないでしょう。

その中で2017年にRPAが日本で広く知れ渡ることになりました。前職でRPAを知った時の私の印象は「かんたん!」「はやい!」「やすい!」です。

営業をしていた私からすると、「よし、これでお客様にドアノックとして訪問するぞ!」と考えていました。もちろんそれは私だけではなく、ITベンダーの各営業も同じことを考えていたかと思います。

そのためきっと多くの経営者や情報システム部門の担当者が、この時期にITベンダーからRPAに関し営業を受けたのではないでしょうか?時に同じく2010年代は第三次AI(人工知能)ブーム真っ最中であり、RPAAIのようなイメージを持たれていたかもしれませんね。

そのような背景もあり、「ロボットを使った新製品!時間削減できます!海外で多くの企業が導入していて効果も出ている大注目製品だから御社も是非」といった営業トークを言われたケースはないでしょうか?そして「なんかよくわからないけどロボットってことはAIのようなすごい製品なんだろうな。すぐに効果が出るみたいだし、そこまでお金かからなそうだからうちでもやってみるか!」とRPAの導入を試みた企業は、数多くかと思います。

その頃世の中では、RPAは業務効率化、AIのような先進技術で人手不足の改善、働き方改革の促進が簡単にできる製品として期待されていたのです。これがRPA第一次ブームと言われています。企業側もITベンダー側も「期待以上の期待」をしてしまったと言えるのではないでしょうか?

RPA導入がうまくいかなかった理由

「期待以上の期待」をしてしまったRPAですので、「RPAのライセンスを購入して導入してみました」という企業はけっこうありました。結果はどうでしたでしょうか?

上手くいった企業もあれば上手くいかなかった企業もあるのではないでしょうか。

「うーん、想定していた効果目標に達しない」

「定着化しなくて結局は人がやっちゃう」

「営業が言ってたような製品じゃない」 なんとも耳が痛い話です。

さて、どうして上手くいった企業とそうでない企業に分かれたのでしょうか。

「製品が悪い?」「導入ベンダーが悪い?」理由はいくつか考えられます。私がお客様からよく聞く、RPA導入がうまくいかなかった理由は主に3つあります。

RPA導入がうまくいかなかった理由】

業務削減時間にとらわれ過ぎてしまった

これは仕方ないですよ。だってRPAで大幅な時間削減!といった営業トークを並べられていたのですから。もちろんRPAは大きく時間削減をできる素晴らしい製品です。

しかし時間削減以外にもたくさんの導入効果があるのです。例えば、人が頭を使う業務に集中できるといった定性的な効果や、人よりもロボットならミスは起きないという高品質化、お客様への納期短縮など、付加価値的な効果がたくさんあるのです。

選定した業務がRPAに不向き

一番人の手がかかっている業務にRPAを使おう!大幅時間削減だ!と息巻くとよく起きてしまうケースです。実際にRPA化をしてみようとすると、思ったよりRPAを適用できない、結局は人の手が必要じゃないか。直面した方も多いのではないでしょうか?

人にも「得意」と「不得意」があるように、RPAにも得意な作業や苦手な作業があります。

RPAは思考、つまり考えることがそれ単体ではできません、すなわち人の判断が必要な作業は基本的にはできないのです。(もちろんAIやルールベースとの組合せなど、人の判断を代替する手段はあります)また人の判断は不要でも、条件分岐が複雑だったりするとロボットのプログラムが難解になり、RPA導入の最初に手を出すには難易度が高く不向きとされることが多いです。

ロボットの運用保守が行き届かない

特にクライアント型と呼ばれるRPA製品で、よくある事象です。とりあえずRPAライセンスを大量購入して、社内の希望者に配布、「あとは自分たちの業務に合わせてよろしくやってね」といった方法を選ばれた企業にありがちです。

個人で似たような作業をしていることは多いでしょう。誰かが作った部品を共有できれば、全員がゼロから作る必要もなく効率的です。また業務で利用するシステムが変更になったら、ロボットも修正しなければなりません。それらも全て個人任せでは負担は段々大きくなり、元々の期待とのギャップも感じて、いずれ使われなくなったケースを多く耳にしてきました。

期待した削減効果が出ず、ライセンス費用ばかりかかっているのです。RPAを取り扱う営業として、悲しい限りです…。

もう一度RPA活用をソリューションから考えてみよう!

RPA導入・活用に失敗したと考える企業は、前述した原因は該当するのではないでしょうか。

ではどのように改善すれば導入・活用できるのでしょう。まずは導入の「目的」と「目標」をもう一度、考えてみてはいかがでしょうか。RPAを使ってどのようなことをしたいのか、その目的と目標を見つめ直すのです。これはRPAだけでなく、そのほかIT技術を取り入れるときにも必要な考え方です。見つめ直した結果により、課題解決の対策は異なります。一度はRPA導入をあきらめたけど、新型コロナウイルスの影響により、働き方改革や業務効率化を推進したい!というケースもあるでしょう。つまりRPAをもう一度検討する絶好の機会だと思います。

さらにRPAは単体ではなく、他システムとの連携により、さらに大きな力を発揮します。それがRPAソリューションのカタチではないでしょうか。例えば、テレワークを機に新しいシステムを導入する際、既存のシステムとの連携などRPAソリューションで連携させることで、今度こそRPAを活用できて良い結果が出るかもしれません。

今度こそ活用できるRPAソリューションが登場してきているのです。RPAツールの機能は、企業側のユーザーが簡単にロボットを開発できたり、様々な他システムとシームレスに連携できるものも登場しています。またRPAの機能面とは別に、RPAを部門導入から全社導入に広げていく推進体制をしっかり構築支援するサービスがあります。ロボット開発を教育してくれるサービスもあります。これらツール機能と様々なサービスが組み合わさった仕組みが「RPAソリューション」です。まさにRPAが「夢から現実へ」変わろうとしているのです。

まとめ

「今度こそ活用できるRPAソリューションとは?夢から現実に変わろう!」と題して、ご説明してまいりました。RPA第一次ブームの始まりや、なぜRPAは期待以上の期待をされたのか、RPA導入がうまくいかなかった理由がご理解いただけたと思います。RPA導入については、企業側もITベンダー側もいろんな‘夢’を見すぎてしまい、お互い反省が残るところですね・・。

でも本記事を読んでいただいた皆様に「今からRPAを始めよう!」または「もう一度、RPAを始めても遅くないんだな」と感じていただけたならば、とても嬉しいです。

そして今度こそ活用できるRPAソリューションは、現実にあるのです。弊社ではRPAの推進と活用をもう一度はじめたい方に参考になる資料「今こそ言える、RPA成功への近道 ~推進と活用の2軸から‘もう一度’はじめましょう!~」をご用意しております。本資料は、RPA導入や再活用に向けて必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。