UiPath StudioX かんたんRPAレシピ集(No.7)郵便番号検索(vol.36)
目次
序章
皆さん、こんにちは!“UiPath StudioX かんたんRPAレシピ集“のお時間です。
本記事では、お仕事でよくある身の回りの作業を簡単・スピーディーに自動化するため、自動化の事例と、StudioXによるワークフローの作り方を連載でご紹介しています。
本日のレシピでは、「Excel記載の住所一覧から郵便番号を検索して、一覧に郵便番号を追記する」方法を紹介させていただきます。
UiPath StudioX レシピの概要
前回の記事では複数のPowerPointのPDF出力とPDF分割する方法をご紹介しましたが、今回は「Excel記載の住所一覧から郵便番号を検索して、一覧に郵便番号を追記する」方法についてご紹介します。
具体的には、郵便局の公式サイトで住所から郵便番号を検索し、表示された郵便番号を住所一覧へ転記するという作業を自動化してみます。
StudioXで作成したワークフローの全体像は下記のとおりです。
それでは、次にワークフロー作成の手順を解説していきます。
手順1.住所が記載されたExcelファイルを開く
まずは、住所が記載されたExcelファイルを開きます。
指定のExcelファイルを開く場合は、「Excelファイルを使用」アクティビティを選択し、アクティビティのプロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
Excelファイル |
指定のExcelファイルの場所を入力します。 |
2 |
参照名 |
後続のアクティビティで参照するための名称を入力します。このレシピでは「Excel」とします。 |
3 |
変更を保存 |
Excelに変更があった際に保存するかどうか指定できます。このレシピではチェックを入れます。 |
手順2.Chromeを起動し郵便局の郵便番号検索ページを開く
※ブラウザの操作を行うためにはUiPathの拡張機能のインストールが必要になります。
事前にご利用のブラウザにあったUiPathの拡張機能をインストールしてください。
■Chrome
https://docs.uipath.com/ja/studio/standalone/2023.4/user-guide/extension-for-chrome
■Edge
https://docs.uipath.com/ja/studio/standalone/2023.4/user-guide/extension-for-edge-chromium
■Firefox
https://docs.uipath.com/ja/studio/standalone/2024.10/user-guide/extension-for-firefox
Chromeを起動し、郵便局(日本郵便株式会社)の郵便番号検索ページを表示します。
「アプリケーション/ブラウザーを使用」アクティビティを選択し、以下の手順でプロパティを設定します。
Chromeで郵便番号検索ページを開いておきます。
「自動化するアプリケーションを指定」をクリックし、あらかじめ開いておいた郵便番号検索ページのウィンドウを選択します。
すると、自動的にブラウザーのURLに郵便番号検索ページが指定されます。
手順3.住所を入力し郵便番号を検索、表示された郵便番号を住所一覧のファイルへ転記を住所一覧に記載の数だけ繰り返す
Excel内の住所一覧の行を一つずつ処理していきます。
「繰り返し(Excelの各行)」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
繰り返し |
後続のアクティビティで参照する名称を入力します。このレシピでは「CurrentRow」とします。 |
2 |
対象範囲 |
操作を繰り返す対象の範囲を設定します。右側の(+)ボタンをクリック後、「Excel」を選択し、「一覧シート」を選択してください。 |
3 |
先頭行をヘッダーとする |
チェックを付けることで、先頭の次の行から処理が行われます。このレシピではチェックを入れます。 |
次に、郵便番号検索サイトに検索したい住所の情報を入力していきます。
「項目を選択」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」をクリックし、「都道府県を選択」のプルダウンボックスを画面上で指定します。
プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
選択する項目 |
選択項目を設定します。右側の(+)ボタンをクリック後、「CurrentRow」を選択し、「カスタム入力」を選択してください。ラジオボタンで「列名」を選択し、「都道府県」を入力します。 |
次に、「文字を入力」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」を選択し、「市区町村・町名を入力」の入力ボックスを画面上で指定します。
プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
以下を入力 |
入力項目を設定します。右側の(+)ボタンをクリック後、「CurrentRow」を選択し、「カスタム入力」を選択してください。ラジオボタンで「列名」を選択し、「市区町村」を入力します。 |
2 |
入力前にフィールド内を削除 |
入力前に対象のフィールド内を削除するかどうか選択します。このレシピでは「単一行」を設定します。 |
3 |
入力前にクリック |
入力前にクリックするかどうかを選択します。このレシピでは「シングル」を設定します。 |
次に、「クリック」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」を選択し、「郵便番号を検索」ボタンを画面上で指定します。
プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
クリックの種類 |
クリックの種類を選択します。このレシピでは「シングル」を設定します。 |
2 |
マウス ボタン |
マウスのどのボタンでクリックするか選択します。このレシピでは「左」を設定します。 |
次に、都道府県、市区町村で検索した結果画面にて、町域の地名が存在するかチェックすることで郵便番号の検索に成功したか否かを判定します。
「アプリのステートを検証」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」を選択し、検索結果画面より町域を指定します。
このアクティビティを選択し、プロパティ画面を表示させ、以下のように設定します。
あいまいセレクターを修正しないと、町域が初期値のままになってしまうため、住所一覧から値を渡せるよう修正します。
あいまいセレクターの修正内容は以下の通りです。
- 修正前
“<webctrl tag=’TABLE’ /><webctrl type=” tag=’A’ class=’line’ aaname=’池上‘ check:innerText=’池上‘ />”
- 修正後
“<webctrl tag=’TABLE’ /><webctrl type=” tag=’A’ class=’line’ aaname='” + CurrentRow.ByField(“町域“) + “‘ check:innerText='” + CurrentRow.ByField(“町域“) + “‘ />”
①郵便番号検索が成功していた場合
町域が正しく表示されていた時、郵便番号を住所一覧に記載する処理を「ターゲットが出現」のグループ内に設定していきます。
まずは、調べたい郵便番号の町域をクリックするため、「クリック」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」を選択し、町域を画面上で指定します。
プロパティには先程と同様に設定し、あいまいセレクターの修正も実施します。
次に、表示された郵便番号を取得します。
「テキストを取得」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」を選択し、「郵便番号・住所」画面にて表示されている郵便番号を指定します。
プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
保存先 |
保存先を設定します。右側の(+)ボタンをクリック後、「CurrentRow」を選択し、「郵便番号」を選択します。 |
次に、取得したテキストの不要箇所を取り除きます。
「テキストを変更」アクティビティを選択し、アクティビティのプロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
変更するテキスト
|
変更するテキストを指定します。 (+)ボタンをクリックし、「CurrentRow」を選択し、「郵便番号」を選択します。 |
2 |
テキストを検索して置換 |
別途解説します。 |
3 |
テキストをトリミング |
別途解説します。 |
4 |
名前を付けて結果を保存
|
変更後のシート名を保存します。 (+)ボタンをクリックし、「CurrentRow」を選択し、「郵便番号」を選択します。 |
続いて、「変更を追加」のプルダウンから「検索して置換」を選択し、「テキストを変更」アクティビティ内に設置します。
「テキストを検索して置換」のプロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
次を検索 |
置換対象の検索する文字列を指定します。 右側の(+)ボタンをクリックし、「テキスト」を選択します。このレシピでは「〒」を設定します。 |
2 |
次で置換 |
置換する文字列を指定します。 右側の(+)ボタンをクリックし、「テキスト – 空の値」を選択します。 |
「変更を追加」のプルダウンから「トリミング」を選択し、「テキストを変更」アクティビティ内に設置します。
「テキストをトリミング」のプロパティではトリミングする箇所を指定できます。
このレシピでは「左をトリミング」にチェックを入れます。
これで取得した郵便番号からから「〒」と余白は削除されます。
②郵便番号検索が成功していない場合
住所一覧に記載の町域が表示されなかった場合や、検索結果と文言が一致しない場合は、郵便番号検索に失敗した旨を住所一覧に追記する処理を「ターゲットが出現」のグループ内に設定していきます。
「ターゲットが出現しない」グループ内に「セルに書き込み」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
書き込む内容 |
変更するシートを指定します。 (+)ボタンをクリックし、「テキスト」を選択します。「郵便番号の検索に失敗しました。」と入力します。 |
2 |
書き込む場所 |
書き込む場所を設定します。 (+)ボタンをクリックし、「CurrentRow」を選択し、「備考」を選択します。 |
郵便番号もしくは検索失敗の旨を住所一覧へ記載した後、郵便番号検索のトップページに戻ります。
「クリック」アクティビティを選択します。
「次で指定:Chrome:郵便番号検索」を選択し、「郵便番号検索」を画面上で指定します。
プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
クリックの種類 |
クリックの種類を選択します。このレシピでは「シングル」を設定します。 |
2 |
マウス ボタン |
マウスのどのボタンでクリックするか選択します。このレシピでは「左」を設定します。 |
全ての処理が終了したら郵便番号検索ページのタブを閉じます。
「ブラウザー内を移動」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。
# |
プロパティ名 |
設定値 |
---|---|---|
1 |
アクション |
実行したいアクションを選択します。このレシピでは「タブを閉じる」を選択します。 |
まとめ
ワークフロー作成の手順は以上です。完成したワークフローを再度掲載します。
このワークフローを実行していただくと郵便局の公式サイトで住所を入力し、郵便番号を検索、表示された郵便番号を住所一覧へ転記する作業を自動化することができます。
これでもう、手動で郵便番号を検索・転記の作業が不要になりますね。
今回のレシピでは、StudioXを使って「Excel記載の住所一覧から郵便番号を検索して、一覧に郵便番号を追記する」方法を紹介させていただきました。
StudioXは、本日ご紹介した以外にも様々なOffice製品の自動化が出来ます。今後もOffice製品を自動化する色々なレシピをご紹介させていただきます。
本日のレシピは以上です。
それでは次回もお楽しみに。
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