無料で使える顧客管理システム5選 段階別にご紹介

#システムの種類
公開日:2024年05月16日(木)

序章

顧客管理は企業にとって経営戦略のひとつであり、顧客との関係強化を通じて売上向上に寄与するものです。しかし、組織の中には様々な顧客情報がバラバラに存在しています。同一の顧客の情報は統合しなければ、その顧客を深く知ることはできません。このようなバラバラな顧客情報をシステム化する方法はないのでしょうか? しかも、できれば無料で・・。そこで、無料で使える顧客管理システム5製品を解説いたします。

顧客管理とは?  

顧客管理とは、顧客に関する様々な情報を収集、整理、分析し、顧客との長期的な関係構築と売上向上を図ることです。単に企業の顧客情報を管理すればいいわけではなく、顧客との関係を構築・強化することを目的としています。経営戦略のひとつと言えます。

顧客管理は企業にとって必要な仕組みです。顧客管理の構築・強化の重要性は、以下の5点が挙げられます。

  1. 顧客満足度向上
    顧客のニーズや嗜好を把握し、最適な商品やサービスを提供することで、顧客満足度の向上を実現できます。
  2. 顧客ロイヤルティ向上
    顧客との良好な関係を築くことで、リピーターやファンを獲得し、顧客ロイヤルティを高められます。
  3. 売上向上
    顧客分析に基づいた効果的なマーケティング活動や営業活動を行うことで、売上の向上を目指せます。
  4. 顧客離脱防止
    顧客のニーズを先回りして満たすことで、顧客離脱を防げます。
  5. 業務効率化
    顧客情報を一元管理することで、顧客対応や分析作業の効率化を図れます。

したがって、自社の業務にあった顧客管理システムを構築することは非常に重要な取組みです。

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顧客管理システムのメリット

顧客管理システムとは、見込み顧客とのコンタクト、ニーズ管理から既存顧客へのメール等のフォローアップまで顧客情報を一元管理し、顧客との関係構築を支援するシステムです。

顧客管理システムを構築するメリットとしては、前述した顧客情報の正確性・利便性の向上、顧客分析の効率化があります。また、顧客対応の迅速化と質を上げることで、顧客満足度と顧客ロイヤルティ向上も実現できます。売上と収益の向上、業務効率化によるコスト削減等の利益への寄与も期待できます。

顧客管理システムにはこのようなメリットがありますが、システムの種類がいくつか存在します。顧客管理システムだけでなく、ソフト・ツール・クラウド等の様々な‘言い方’があります。各製品によって‘言い方’は違いますが、ITを活用した顧客管理を構築するスタイルは同じです。

本記事では無料で使える顧客管理システムの5製品を比較し、ご紹介していきます。ところが、顧客管理システムといっても構築する企業の抱える顧客数や管理のやり方、目的、システム化する範囲によって数多くの種類があります。

そこで、「まず顧客管理を始めたい企業」、「クラウドサービスで顧客管理をしたい企業」、「大規模・オーダーメイドの顧客管理をしたい企業」の3つに分けて、ご紹介していきたいと思います。

【まず顧客管理を始めたい】 エクセル(Microsoft Excel) テンプレートがあり、自作で作れる

エクセル(Microsoft Excel)は言わずと知れた表計算ソフトです。ソフトとしてOffice製品を利用していたり、Microsoft 365をクラウド利用していたりする企業が多いので、自然と顧客管理ツールとして使っている読者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

顧客管理テンプレートや構築方法も数多く、提供されています。例えば、顧客管理テンプレートには、顧客管理に必要な顧客名、住所、電話番号、顧客区分、履歴等の項目サンプルが標準であります。そして、エクセルシートを作成するために各項目のデータ型を設定し、入力規則の設定やデータ入力ができるので、自作で顧客管理を作れます。

エクセルのテンプレートを使い、自作の顧客管理を作れば、コストを抑えて始められるので便利です。すぐに始めやすい顧客管理ソフトと言えるでしょう。

日本マイクロソフト社から、顧客管理表の無料テンプレートが公開されています。詳細は下記サイトをご覧ください。

参照元URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13290

【まず顧客管理を始めたい】 Fullfree 無料で5台までアクセスできる顧客管理ソフト

Fullfreeはフリースタイル社が提供しており、Windows 対応の顧客管理ソフトです。すべての項目を自由にカスタマイズできるので、まず顧客カルテや名簿管理ソフトとして使い始めることに向いています。顧客管理を始めたい企業に向いている顧客管理ソフトと言えるでしょう。

料金・価格は無料で5台までのパソコンでアクセスできるようになっており、利用ユーザー数は無制限、データベースあたりのレコード数(表形式では行の数の合計)は3,000件までです。6台以上で共有したい場合は、月額540円/1台あたり(税込)となります。個人情報を入力しなくとも、すぐに使えるのはいいですね。Fullfree PRO の有料ライセンスも用意されています。詳細は下記サイトをご覧ください。
参照元URL:https://www.fullfree.jp/

【クラウドサービスで顧客管理】 Zoho CRM 無料で使えるCRM/SFAツール

Zoho CRMはZoho社が提供しており、世界で25万社以上が利用しているCRM/SFAツールです。CRM機能で顧客管理を、SFA機能で営業支援をクラウド上に実現できます。

無料版と有料版のZoho CRMがありますが、違いとしてはコストや機能、サポート体制になります。無料版Zoho CRMは、利用できる機能やデータ容量に制限があります。有料版Zoho CRMは費用が発生しますが、AI機能等のユーザーに役立つものが提供され、大容量のデータを保存することが可能です。

顧客管理のためにCRM構築、そして営業支援のためにSFA構築をしたい企業に向いている顧客管理ツールと言えるでしょう。

料金・価格は無料版Zoho CRMは0円で利用でき、データストレージが5,000件、ファイルストレージが1GBまで利用可能です。有償プランを15日間無料でお試しでき、お試し期間終了後に有償化しない場合は、自動的に無料プランに移行できるサービスがあります。詳細は下記サイトをご覧ください。

参照元URL:https://www.zoho.com/jp/crm/free-crm.html

【クラウドサービスで顧客管理】 Hubspot CRM(ハブスポット) 無料で使えるCRMソフトウェア

Hubspot CRMはHubspot社が提供をしており、顧客管理だけでなく営業支援にも効果を発揮する無料のCRMツールです。リアルタイムで営業活動を追跡し、直観的なダッシュボードで、営業パイプラインを分析できます。

HubSpot CRMは、顧客管理や営業支援に無料で使える便利な機能があります。また、クラウドプラットフォーム化されていますので、マーケティング、カスタマーサービス、CMS・コンテンツ管理、ウェブ制作等の機能が揃った有料エディションへの切り替えも簡単です。
ウェブサイト等から取得できるマーケティングデータを顧客管理し、営業支援にも役立てたい企業に向いている顧客管理ソフトウェアと言えるでしょう。

Hubspot CRMの料金・価格は無料で利用できます。利用ユーザー数とストレージ容量は無制限で利用できますが、企業へのコンタクト件数の登録は最大100万件までとなっています。利用期限はなく、いつまでも利用できるのはいいですね。詳細は下記サイトをご覧ください。

参照元URL:https://www.hubspot.jp/products/crm

【大規模・オーダーメイドの顧客管理】 iPLAss(アイプラス)オープンソース版 無料で使えるローコード開発プラットフォーム

iPLAss(アイプラス)オープンソース版は、電通総研が提供しているローコード開発プラットフォームです。ローコード開発とは、プログラミングを最小限に抑えてドラッグ&ドロップなど視覚的な画面操作でシステム開発を行う手法です。ローコード開発プラットフォームを用いることで、プログラミングや専門的なコーディングの知識や経験が乏しい人でも画面操作だけでプログラミングなしにシステム開発ができます。

iPLAssでは、システム開発のプラットフォームとして、オーダーメイドの顧客管理システムを実現できます。ノンプログラミングでデータベースを定義できますので、例えば、既存顧客を担当者やエリア別にリスト化したり、見込み顧客の受注確度やナーチャリング状況などを自社にあった方法で可視化できます。また、クラウドのメールサービス、プッシュ通知サービスと連携して、特定の顧客に対してメールやモバイル通知で新製品・新サービスを紹介するなど、無償版でもかなり凝ったことを実現できます。

さらに、有償版のiPLAss Enterprise Edition では、企業独自の顧客接点強化にも活用できます。例えば、法人顧客向けのコンテンツサービスを提供し、顧客IDに基づいてコンテンツのアクセス制御を行ったり、ロイヤルティの高い顧客にはより付加価値の高いコンテンツを提供する、といった具合です。

iPLAss(アイプラス)オープンソース版の料金・価格は無料です。また個人情報を入力しなくても、iPLAssオープンソース版を利用できますので、気軽に試すことができますね。

また、有償版のiPLAss Enterprise Editionか iPLAss Cloud(iPLAssのクラウドサービス) にアップグレートすれば、機能制限はありません。すべての機能を利用して、顧客接点を高度化していくことが可能です。詳細は下記サイトをご覧ください。

iPLAssオープンソース版 参照元URL:https://iplass.org/
iPLAss Enterprise Edition・iPLAss Cloud 参照元URL:https://itsol.dentsusoken.com/iplass/

まとめ

「無料で使える顧客管理システム5選 段階別にご紹介」と題して、ご紹介してまいりました。顧客管理にスポットを当てて進めてまいりましたが、顧客管理システムの重要性やメリットはご理解いただけましたか? 5製品をまとめますと、以下のようになります。

【まず顧客管理を始めたい企業】 エクセル、Fullfree
【クラウドサービスで顧客管理をしたい企業】 Zoho CRM、Hubspot CRM
【大規模・オーダーメイドの顧客管理をしたい企業】 iPLAss

このような段階別に顧客管理システムを検討していきましょう。

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本記事の内容・料金・価格は2024年3月31日の情報を基に作成しています。詳しい内容や料金・価格は各サイトにお問合せください。