UiPath StudioX かんたんRPAレシピ集(No.2)Excelデータ一覧からPowerPointスライドへ転記する(vol.28)

2022.08.01

皆さん、こんにちは!“UiPath StudioX かんたんRPAレシピ集のお時間です。

本記事では、お仕事でよくある身の回りの作業を簡単・スピーディーに自動化するため、

自動化の事例と、StudioXによるプログラムの作り方を連載でご紹介しています。

本日のレシピでは、「Excelデータ一覧からPowerPointスライドへ転記する」方法を紹介させていただきます。

UiPath StudioX テンプレートの概要

前回の記事ではExcelの自動化についてご紹介しましたが、UiPathPowerPointなど、その他のOffice製品も自動化をすることも出来ます。

皆様の業務においても、PowerPointを利用する機会は多いのではないでしょうか。

特にレポーティング業務を担当されている方は、日常的にExcelPowerPointで資料を作成されているかと思います。

そこで、今回のレシピでは、レポーティング作業の自動化をイメージして、ExcelPowerPointの操作を自動化してみたいと思います。

具体的には、下記のようにExcelに一覧で記入された記事データから、タイトルと本文のデータを1行ずつ取得して、PowerPointのスライドへ転記するという作業を自動化してみます。

StudioXでプログラミングしたワークフローの全体像は下記のとおりです。

それでは、次にプログラミングの手順を解説していきます。

手順1:ExcelPowerPointファイルを開く

まずは、転記元のデータが記入されたExcelファイルを開きます。

指定のExcelファイルを開く場合は、「Excelファイルを使用」アクティビティを選択し、アクティビティのプロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

Excelファイル

指定のExcelファイルの場所を入力します。

2

参照名

後続のアクティビティで参照するための名称を入力します。このテンプレートでは「Excel」とします。

次に、転記先のPowerPointファイルを開きます。

指定のPowerPointファイルを開く場合は、「PowerPointプレゼンテーションを使用」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

PowerPointファイル

指定のPowerPointファイルの場所を入力します。

2

参照名

後続のアクティビティで参照するための名称を入力します。このテンプレートでは「PowerPoint」とします。

3

変更を保存

チェックを入れます。

手順2:Excelから行データを取得して、繰り返しPowerPointへ転記する

転記先のPowerPointの構成は次のとおりです。

1ページ目のスライドが表紙、2ページ目がデータを転記するテンプレート用のスライドになります。

Excelの各行の記事データ(タイトルと本文)を取得したら、2ページ目の空のスライドをコピーして新しいスライドを作成し、そこにタイトルと本文を転記します。

また、複数のスライドへ繰り返し転記するためには、ページ数の情報を保持する必要があります。情報を保持するためには「変数」という機能を使います。

下記のとおり「変数の値を設定」アクティビティを選択してください。

最初に転記するスライドは3ページ目になりますので、「保持する値」に「3」と設定してください。

次に、Excelから記事データを1行ずつ取得します。

「繰り返し(Excelの各行)」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

繰り返し

後続のアクティビティで参照する名称を入力します。このテンプレートでは「CurrentRow」と設定します。

2

対象範囲

読取り対象のシートを選択します。右側の(+)ボタンをクリックするとシートを選択できるため、データが記入されたシートを選択してください。このテンプレートでは「Sheet1」とします。

3

先頭行をヘッダーとする

チェックを入れます。

次に、転記先のスライドを作成します。先述のとおりPowerPoint2ページ目の空のスライドをコピーして新しいスライドを作成し、そこに記事データのタイトルと本文を転記します。

「スライドをコピー/貼り付け」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

ソースのプレゼンテーション

PowerPoint」を設定してください。

2

コピーするスライド

2ページ目のスライドがテンプレートになるため、2を設定してください。

3

コピー先プレゼンテーション

PowerPoint」を設定してください。

4

挿入場所

 

挿入場所には、何ページ目にスライドを挿入するか指定することができます。

「対象スライド番号」を設定してください。これは「変数の値を設定」アクティビティに設定した保存先名です。つまり最初は3という値が保持されているため、3ページ目としてスライドが挿入されます。

次に、スライドへ記事データのタイトルを転記します。

「スライドにテキストを追加」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

プレゼンテーション

PowerPoint」を設定してください。

2

スライド番号

「対象スライド番号」を設定してください。これは「変数の値を設定」アクティビティに設定した保存先名です。つまり最初は3という値が保持されているため、3スライド目に追加されます。

3

コンテンツ プレースホルダー

転記するスライドのタイトルのオブジェクトを設定してください。詳細な設定方法は後述の説明を参考にしてください。

4

追加するテキスト

[CurrentRow]タイトルを設定してください。

コンテンツ プレースホルダー

 プロパティの「コンテンツ プレースホルダー」には、PowerPointのスライド上にあるタイトルや、本文の対象のオブジェクトを設定します。下記のとおり(+)ボタンをクリックすると、指定したPowerPointの「コンテンツ プレースホルダー」を設定することができます。

次に、スライドへ記事データの本文を転記します。

タイトルと同様に「スライドにテキストを追加」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

プレゼンテーション

PowerPoint」を設定してください。

2

スライド番号

「対象スライド番号」を設定してください。これは「変数の値を設定」アクティビティに設定した保存先名です。

3

コンテンツ プレースホルダー

転記するスライドの本文のオブジェクトを設定してください。

4

追加するテキスト

[CurrentRow]本文を設定してください。

ここまでのプログラムで、Excelデータの1行目の記事データの転記が完了します。

続けてExcelの2行目以降の記事データと、PowerPoint4ページ目以降のスライドへ繰り返し転記するプログラムを実装します。

これには、冒頭で設定した「対象スライド番号」という変数に、下記のとおり1を加算するよう設定します。

このように加算することで、繰り返しスライドに転記することができます。

手順3:不要なスライドを削除する

 

Excelデータのすべての行の繰り返しが完了したら、最後に、テンプレートである2ページ目の空のスライドを削除します。

 

「スライドを削除」アクティビティを選択し、プロパティには下記のとおり設定してください。

アクティビティのプロパティには下記のとおり設定してください。

#

プロパティ名

設定値

1

プレゼンテーション

PowerPoint

2

スライド番号

2

まとめ

プログラミングの手順は以上です。完成したワークフローを再度掲載します。

このワークフローを実行していただくと、Excelのデータ一覧からPowerPointスライドへ転記する作業を自動化することができます。

 

StudioXを活用すると、このようなExcelPowerPointなど異なるソフトウェア間でデータを転記するような作業も、簡単にプログラミングすることができます。

ぜひ、レポーティング作業の自動化でStudioXをご活用ください。

 

今回のレシピでは、StudioXを使って「Excelデータ一覧からPowerPointスライドへ転記する」方法を紹介させていただきました。

 

StudioXは、本日ご紹介した以外にも様々なOffice製品の自動化が出来ます。今後もOffice製品を自動化する色々なレシピをご紹介させていただきます。

 

本日のレシピは以上です。それでは次回もお楽しみに。

 

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